自由を求めて
「栞里っ、もう話し終わったのか?早いな」
「うん」
「栞里ちゃん、今からウノやろうと思ってたんだけど一緒にやる?」
「いや、あたしはいいや。もう帰るし」
「そっか、じゃあまた今度遊ぼー」
「ううん、もう今度は無いよ。あたしもうここには二度と来ないから」
「え?」
「せっかく仲良くしてくれたのにごめんね?バイバイ」
ポケッとする皆に手を振りあたしはそこから離れた。
すぐ側であの人が見ていたとも知らずに、あたしは堂々と道を歩いていた。
しかもこの日はまだ授業が残っていて、相馬さんは迎えには来ない。
だからあたしは家まで誰も連れずに1人で歩いた。
その所為で、この後、あんなことになるなんて…
この時のあたしは頭がいっぱいで考えてもいなかった。
暗い
寒いしなんの音もない
相馬さん、助けて…
父さん…朱理…
誰か…