自由を求めて


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痛い 冷たい 苦しい




「ーーー…っん、」


鈍い痛みに目が覚めるが、しばらく呆然として固まった。



ここ、何処…?


「んッ、…ん〜っ…」



ダメだ、取れない…



口の中には布のようなものが入ってて喋れないし、後ろには鉄の柱でそこにロープでグルグル巻にされていて動けないし、もう頭の中はパニック状態。



どうしよう、どうしようっ…



「んーッ!んんっ…!」



助けを呼ぼうにも “ん” しか出ない。



カタ カタ カタ…ッ



身体が小刻みに震える。


そして、その瞬間頭を過ぎった言葉。





『拉致』『監禁』




今までは何処にいくにも相馬さんがついていてくれたから危ないことなんて殆んどなかった。


でも今は違う。



今のあたしはお付きの居ないなにもできないお嬢様、つまりは格好の獲物だ。

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