自由を求めて
学校に着けばみんなが挨拶してくる。
ここも校則ってルールに縛られてて息苦しい。
本当はあたしだって今時の女子高生みたいに、朱理みたいになりたい。
でも九条家の長女に生まれたからには、九条家の使命をしっかりとこなさなきゃいけない。
家に、学校に、親に、ルールに縛られなければあたしはこの世で生きて行くことは出来ない。
誰かが側に居ないとなにも出来ない、お金持ちのお嬢様。
もしかしたら、あたしの本当の居場所はここには無いのかもしれない。
ザワザワっ…
「……なんだろ」
校門の辺りが突然騒がしくなった。
「ねぇ、なにかあったの?」
「九条さんっ、…それが、あそこに」
一人のお嬢様が指差した方向、そこには門を見張ってるかのように立つ二人の男とよく見慣れた黒い高級車。
「…えっ!?」
でもあたしが驚いたのはそこじゃない。