自由を求めて
しばらくすると、なにやら騒がしくなっていた。
ブォン ブォンっ…
…バイクの音?
「着いたよ」
響にエスコートしてもらいながら車の外に出ると、そこには数えきれないほどのバイクがあり、それと同じくらいの数だけ人もたくさんいた。
「ちょっとうるさいけど、すぐに慣れるから」
無理だよ、だってもう既に鼓膜破れそうなんだもん…
「こっちだよ」
人とバイクの中を迷いなく歩く響達の後ろ姿は堂々としてた。
「ふふ、うちも最初は驚いたんだよ?でも慣れればなんかもう、子守唄みたいに落ち着けるんだよね〜」
はい嘘〜、これが子守唄なわけないじゃん…
とか脳内で突っ込みつつ響達の後を追うと階段があり、そこを上がったとこにひとつの扉があった。