溺愛モラトリアム 【SPシリーズ新城編】
『頼む、新城くん。ひかりちゃんを守ってやってくれ』
中河さんは椅子から立ち上がり、深く頭を下げた。
『……はい。約束します』
頼まれなくたって、俺の気持ちは昔から変わっていない。
彼女は、俺が守ってみせる。
中河さんと別れたあと、偶然病院の中を歩いていた紫苑に出会った。
エレベーターの中でパニックになった彼女は、しばらく仕事を休むことになる。
そのうちに事件の決着をつけようと思っていたら、彼女は自ら危険に飛び込んで来てしまう。
そうして、最悪の状況で紫苑の記憶は甦ってしまった。