溺愛モラトリアム 【SPシリーズ新城編】
そしてすぐ、無線で班長に連絡を取りながら、次の行動についての指示を出す。
……やっぱり、女だからって見くびってたんだ。
しかも、子供みたいに頭ぽんぽんとかして……。
胸の辺りがざわざわする。
なんだろう、この感じ。前にもどこかで経験したような……。
また余計なことを考えそうになり、自分の頬を叩いて制した。
いけないいけない。一瞬敵を征圧したからって、気を抜いちゃダメだ。
敵は国分外務大臣だけでなく、このアホ息子も狙っているということが、これではっきりしたんだから。
そう思うのに、胸はざわざわとしたままだった。
心の片隅に、甘い顔で笑う新城さんが、貼りついてしまったよう。
そんなことを思った自分の頬を、もう一度叩いた。