溺愛モラトリアム 【SPシリーズ新城編】
え。まさかの真実?
真っ赤になった高浜さんは頭を抱え、大きな体を丸めてしゃがみこんでしまった。
なんだろう……私今、すごくがっかりしてる……。
「はっ。新城さん、それより」
「はい、私語はもう禁止。ちゃんと任務に集中できないならSPなんか辞めちまえ」
ぐっと喉がつまる。
そうだ、のんびりした先輩たちに囲まれて忘れていたけど、今は一応仕事中だった(やることないけど)。
同じセリフを聞いた高浜さんも頬をたたき、きりっとした顔で立ちあがる。
「それとも、もうSPなんか辞めて俺と結婚する気になったか?」
納得いかなくてにらんでいると、新城さんは余裕を感じさせる微笑みでそんなことを言ってくる。
「なに!?結婚?」
「高浜さん、うるさいです」
「そんなの、しませんから!」
断言すると、新城さんは少し寂しそうな顔で苦笑した。
もう……覚えてなさいよ。
二人きりになったら、絶対追及してやるんだから。