ありがとう。そして。
「ねぇ、美香ちゃん。俺が美香ちゃんを呼んで、どうしても伝えたかった事があるんだけど・・・。聞いてくれる?」

櫻井君は真剣な顔で私を見た。

「あっ。う、うん良いんだけど・・・なぁに?」

櫻井君は『ハァッ』と息を吸ってから私の方へと歩いて来た。


そして。私の目の前に立った。


―――ドンッ・・・。

私は壁と櫻井君の間に挟まれて逃げられなくなってしまった。

「俺・・・。美香の事が好きなんだけど・・・」

櫻井君の熱い吐息が私の耳にかかる。
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