明日も、生きる
学校という現実





久しぶりに長い前髪に隠れ、マスクと眼鏡

制服をダサく着こなし


家をでた



大丈夫

大丈夫




おまじないをブツブツ言いながら歩く


「怖っ」


「キモっ」


まわりから、聞こえる声に自信がつく


よし!!  完璧!!



教室で机に伏せる



前席の石井さんが、きゃぴきゃぴと


「今月の表紙ヤバいね!
ゴウとリツカ最高だよね!リツカみたいに可愛くなりたぁ~い!!」


ガタッ


「あっ…うるさかった?ごめんね」


私が勢いよく立つから、石井さんが謝る

「すっすみません」


私も謝り、座る


石井さんのがよっぽど、可愛いよ

変なこと言わないでよ……


初めて言われたよ


私みたいになりたいなんて……


私こそ、石井さんになりたい






今すぐにでも!!



全力で!!




石井さんになりたい!!





「どうしたら、リツカみたいに可愛くなれるかなぁ?
リツカくらい可愛くないと、ゴウと一緒に居られないよね!?」



ううううう……



石井さんなら、かなり大丈夫!!


「めぐ!!教科書かして!!」



ごうちゃん…

学習して下さい……

チラッと顔を上げると、目がハートな
可愛い石井さんが見えた




「いっいい石井しゃんおおっ願いします」


かんだよ


恥ずかしい!!



「どうぞ!!」


石井さん…あなた、天使ですか?


笑顔があんまり可愛いから、見惚れてた




「めぐ!石井さんを見習え!
ちゃんと勉強しないと、バカになるぞ?」




バカ犬に言われたくないけど……






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