明日も、生きる
異母兄弟の俺達が、こんなに仲良しなのも
このヘンテコな家庭環境を
受け入れることが出来たのも

めぐのおかげだと思う


俺は、家を出て母親のところに行こうか


悩んだ時期がある


モヤモヤを晴らすため、ぐれたんだ


どんなに恐そうな友達といても


「てっちゃん!!一緒に帰ろう!!」


「てっちゃん!!」


「迎えに来たよ!!」

小学生のめぐが剛と手を繋いで

高校の門で待ち構えてた

うざくて2人を置いて、先を歩く

俺の友達と仲良くなって


「いい人だね!」って言うんだ

皆、めぐに癒やされて

学校の嫌われ者達は

「めぐちゃん帰ろうか!!」

「うん!!公園で遊んで帰ろう!!」

自分を必要としてくれる

めぐに救われた


バリバリのヤンキーな親友、隆志は
犬が苦手で、めぐに助けて貰ったこと

今でも、命の恩人だって

会う度に言う

酔ったら20回は、言う




「なぁ剛
何で毎日、迎えに来てたんだ?」


「哲が来いって言ったんだろ!?」


そんな覚えはない!!


「ほら!幼稚園の時は、哲が迎えに来てただろ?小学校に入る時だよ!」



言ったか?



「めぐが、てっちゃんと帰りたいって言ったら、『だったら、迎えに来い!』って」


俺……何様?


篤「そう言ったら、諦めると思ったんだろうな!ところが!!
めぐは、哲の高校を調べて、お迎えを始めた!」


「覚えてねぇや」


剛「めぐに俺と2人じゃ嫌なの?って
聞いたことあるんだ…遠回りだから
ホッペ膨らませて
迎えに行かなきゃいけないの!!って
俺、怒られたんだ
理由きいたらさ、めぐらしくて…」


「なんて?」

「てっちゃんがさみしそうだから…
そばに居てあげないと、泣いちゃう」


剛が、めぐの真似をしながら言った


その言葉に、引っ込んでた涙がまたきた



あの頃、確かにさみしかった



何やっても、篤みたいにうまく出来なくて

剛みたいに笑えなくて


上手に自分を出せなくて


もしかしたら、俺だけ血が繋がってなかったりして…とか、思った

めぐと栗原夫妻みてたら

血のつながりとか、どおでもいいって
教えられた

やっと、気づけた


めぐは、容姿のことで、生まれた時から
悩んで、答えを知っていたのかも


「俺…めぐが好きだわ」


篤「しみじみ言うな!!」

剛「哲、ムカツク!!」

篤、剛「「皆のめぐだからな!!」」


「フッ  俺のだよ」


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