明日も、生きる
8月上旬


栗原夫妻に電話で、来週行くことを伝える


「……はい……お待ちしています」


栗原さんの返事に、不安を覚える

「何かあったんですか?」

「術後は、よくあることなんですが
自分の娘が、苦しんでいるのを見るのは
正直、辛いですね」

目が覚めてから、脳の痛みや吐き気

混乱していて、治療中少し暴れるんだとか


「来週には、少し落ち着くと思います
ぜひ、いらして下さい!
うちに泊まって下さいね!」

「いえ、大人数ですので…」

「かまいませんよ!!」

「5人ですよ?」

「大丈夫ですよ!」

空港にも、迎えに来てくれることになり
恐縮するばかりだ












アメリカに着くと、栗原さんが大きく手をふり、出迎えてくれた


車で栗原さんのお宅へ


大きな一軒家だった


うちもなかなかだが、負けた!
アメリカサイズだ!!


「まだ、めぐはここに来たことないんだ」


切なそうに言った


「これから、一緒に住めるじゃないですか!!」

「そうですね」

また、切なそうに笑った




すぐにでも、めぐに会いたかったが

「少し、話が…… 」




辛そうに、栗原さんが言うと

お茶を煎れてくれていた、奥さんが

ううっと涙ぐむ





その姿で、めぐに良くないことがおきている

そう、推測できた


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