憑依依存。
ーーーこの少女の事は、幼い頃からずっと見守ってきた。
あのスラムで、一人ひっそりと…息を潜めて小さくうずくまっていた少女。
そんな子供を一人助けた所で何になると、自分を押し留めてきた。
それでも、何故かあの少女の事が頭から離れず、時間を見つけては少女の様子を見に行った。
……いつからだろうか。歯車が狂い始めたのはーーー。
暫く振りに、少女の元へ足を運んだ時
彼女は、笑っていた。
今まで、見た事もない笑顔で
ーーー己の身体を、血に染めながら。
『あははっ!楽しいねぇ、久遠!』
笑っていたのだ。