憑依依存。
『……本当に、宜しかったのでしょうか。主の大切な……大切な、方だったのでしょう?』
「……大切だからこそ、だ。」
ーーー自分には、耐える事が出来なかった。
久遠という人格に侵され、壊れていくあの少女の姿を見るのが。
『二重人格……ですか。』
「いや……、私は見た事がない。薺の中に潜む、久遠という人格を……」
彼女、そして久遠自信が最大の危機に迫れば、現れると思ったのだがーーー
「結局……こんなカタチでしか救う事が出来なかった」
いや、これは救済なんかじゃない。
……ただの自己満足だ。
彼女を、久遠という少年から奪いたかったのだ。
「……私もつくづく……子供だな」