憑依依存。
2.黒い影。
「……ここで殺るの?」
月明かりに照らされた、夜の廃工場。
そこに、私達は来ていた。
『おや、いい腐り具合ですねぇ。
ーーーウチに来なさい。
そこで今以上に、血にまみれて咲いてもらいましょうか。』
………あの日、フォンはそう言って私達を組織の一員に加えた。
仕事はごくシンプルで、
フォンが指定した場所に行き、ターゲットを殺すだけ。
それだけで、私達は安全な場所と、温かい食事を得ることができた。
それがどんなに汚れたモノだったとしても
それが、私達の一部になる。
腐ったモノを食べ続けた私達は
きっと、ヒトでは無くなるんだろう。