あなたとキスをするまで




「イチコ、もう一回聞くよ?あんなののどこがいいの?」


今はお昼休み。むくろ君を探し回ったけど結局見つけられなくて仕方なく美夜さんと教室でご飯を食べている。




「顔と身体」


「うん、即答ありがとう。性格は?」

「すごく俺様だと思う。なんでそんな事聞くの?」


「いやさー、この前竜ヶ峰がイチコにコーヒー頼んだ時あったでしょ?」


「それはいつもだと思うんだけど」



常にいろいろとワタシはパシりに出されてると思うんだけど。うん。


「とりあえず!その時、イチコを殴り倒してたじゃん!!」


「お、おう…」


なんだ、なんだ…??


「それを見てた他の学年の女子とかは大人しく現実を見てたよ。イチコはどうなの?」


「えー?けっこうむくろ君、女子に王子様スマイルしてるじゃん」



爽やか笑顔のわりには毒吐いてるらしいけど。


美夜さんは不満そうに顔をしかめる。美人がもったいないぞー。


「そうじゃなくてさー、なんとも思わないの?」


「…むくろ君はかっこいいからなぁ。ワタシの中じゃどストライクなんだよ、メジャーリーガーもビックリのストライクとれちゃってるんだよ!!ってことで外見良ければ全て良しじゃない?」


「終わり良ければすべて良しみたいに言うなし」


「あははー。顔がよけりゃワタシの中じゃ何でも許されるのだ!」


所詮人は顔だ。



ワタシはむくろ君の顔がとても大好きだ。最近撮ったむくろ君の写メを眺めながらワタシは白米を頬張った。




「もしイチコがハムスターだったらブサイクなほうのハムスターだね」


「なんか最近すごく顔を整形したくなるよ」




みんな失礼だなぁ。優しいのはゲームを一緒にしてくれるクラスメートくらいだよ。うん、ありがとう。





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