あなたとキスをするまで






「むくろくぅ〜んっ!!今日は水曜日だよぉ?????だよおおぉ???」


「黙れ、口に瞬間接着剤塗っとけ」


その綺麗な唇が動くのを見つめる。やべぇ、カサカサのワタシと違ってうるうるしてるよ。すごい柔らかそうだよ。


あああぁああ!!その冷めきった透き通った瞳で見つめられたい!!!だけどもむくろ君がワタシのほうなんか見てくれないことは知っている。


いいよいいよ、そのちっともワタシの思いを読み取らない所も素敵だよ。サイコウにベリーキュートだよ、ふふふ。


そして水曜日はなんと、体育がある日!!


むくろ君のジャージ姿が拝める日!!



「…ハアハア、はあっ…ハアハア」


やばい興奮する。ジャージ姿のむくろ君はまだ写メに無いんだよね、今日こそは写メの許可を頂こう!!うん!!がんばるぞ!!!


「センセー!七尾さんがハアハア言ってまーす」

「よーし、竜ヶ峰殴れー」


ガドッ。


ワタシの頭に衝撃が落ちた。


七尾イチコ 15歳、竜ヶ峰むくろ 15歳。この2人の関係にクラスのみんなも慣れてしまった。先生までもがワタシを理解している…クククッ。


ワタシは幸せでそのまま夢の世界へ落ちていった。






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