あなたとキスをするまで





次の日。朝、校門までむくろ君をお迎えしようと試みたがトリマキが凄くていつも通り教室の窓からむくろ君を見つけることにした。



「それにしても…すごいね。」

「だね」


昨日の体入でむくろ君の存在は女先輩全員に知られ女テニの先輩は意中に仕留めさせたと言ってもおかしくない領域だ。


女子全員がむくろ君を狙っている。あ、でも1年女子は入学初日の椅子を蹴った事件を知っているからそこまであからさまではなくて、ビビりながらもむくろ君を見ている。


女子全員がむくろ君の登校を待つ。アイドルだわ、コレ。アイドルの出待ち状態だわ。


「イチコそのマスクどうしたの?」

「モザイク」


それで納得したのか美夜さんはスマホをいじりだした。


いや、ね!なんか、さ!あんな顔をむくろ君に晒してたなんて今更だけど無礼にも程があるでしょ!!むくろ君を狙う他の女子たちは可愛い子ばっかりだし…なんか…その……うん。

落ち込んだ。




「……きゃあああああぁあああ!!!」

「ひゃあああぁあああああ!!」




「っ!?あわぁあ!!」



あまりにも大きな奇声に窓から落ちそうになる。




「来たんじゃない?」

「美夜さん冷静だね」

「興味無いし」


美夜さんはこっちを向くことなくまたスマホをいじっている。



こんなんじゃ……ワタシの声届かねえよ。


むくろくぅ〜〜〜ん!!!ちゃんと見てるからねぇ〜〜〜!!!!!!


ワタシは校門に現れたむくろ君の姿を確認すると精一杯の愛のテレパシーを送った。






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