あなたとキスをするまで
「むくろ君!むくろ君!すごいね!モテまくりだね!!」
さっそく教室までやって来たむくろ君に声をかける。
「あ''ぁ??」
「………すいません、黙ります。」
朝はやっぱり不機嫌ですか。あ、朝からワタシなんかに声かけられて吐きそうなんですね。分かります。ワタシも今日、朝起きて鏡見たら吐きそうでしたもん。
「七尾ーっ」
「はーいっ?」
ワタシを呼ぶ声がしてその方へ向く。
「こっち来て、これ教えてくんね?」
そこにはクラスメイトが手招きをしていた。呼ばれるがままワタシはそちらのほうへ行く。
「これなんだけど…」
「ああ、これはこっち。ここのやつをこうして…ほら、わかる?そそ!それ!」
ワタシは自慢じゃないが勉強は不得意だ。下から数えなくとも1番したを見れば名前があるほどだ。
じゃあ何が得意かって?
「ほらほらほら!ああーっ!おしい!」
「え、ちょ…これどうなって」
「すぐ左向かなきゃダメなんだよ!」
ゲームが得意です。はい、ワタシゲーム大好きです。
「もぉ〜!明日、ワタシもそのゲーム持ってくるから一緒やるよ」
「まじ?あざーす」
意外だろうか、意外だろうな。もしむくろ君がいなかったらワタシ学校に行ってないで家でゲームやってたと思う。それほどゲームが好きです。PCに電源入れれば次の日までその場から動かないほどやり込んでます。
ま、むくろ君がいない世界なんて信じられないですけどねええええええええ!!!!!
「…ぐへへへへ、っといけない!」
アヘ顔になる所だっ…。
ガンっ。
「…うだっ!」
身体に衝撃がきたかと思ったらそのままワタシの身体は床へ叩き付けられた。
「はひっ?むくろくぅ〜〜ん?!」
ワタシは一番負傷したとされる後頭部をおさえながら起き上がる。
「ブラックコーヒー、30秒以内。殺ス」
「ういっす。行ってきまーすっ!!!」
ワタシは鋭い睨みを受けながらも素早く立ち上がり走り出した。
うっへへ〜、睨まれちゃった〜!!
ブラックコーヒーってことは昨日はあんまり眠れなかったのかな〜??今日は一段と不機嫌だもんね!
はあはあはあ。今日はマスクだから走ると酸欠しそう。