未知の世界2
新たな生活
退院
あれから二週間の入院生活を送った。
佐藤先生から、
私は幼い頃、両親を亡くし、佐藤先生のお父さんに養女として預けられた。
しかし、親戚に養女を取り消され、親戚と暮らすものの、育ててもらえず施設に送られたと。
全くの記憶がなく、何度も佐藤先生に聞き返したが、同じことを何度も嫌がらずに話してくれた。
退院後は、一緒に生活するということも。
佐藤先生のお父さんは、佐藤先生と同様、日本で医者をしていたそうだ。
今はお母さんと一緒にアメリカへ行き、アメリカの病院で活躍してみえる。
佐藤先生は一人っ子だけど、以前住んでいた実家を出て、この病院の近くのマンションで暮らしているという。
いつか佐藤先生のご両親が日本に戻って来たら、ご両親が私を育てたいと言っているそうだが、私はもう18歳。
その必要はない。
施設での生活から、知らない人との生活には慣れているけど、数ヶ月前に知り合ったお医者さんとこれから生活するなんて。
不安でいっぱいだ。
だけど、私の過去を知っている人との生活となると、なんだか嬉しい気持ちもある。
ただ問題は、まだ本調子でない私を監視する佐藤先生は、私にいろんな制限をかけてくるにちがいない。
それが怖い。
かつて私は、
鬼と呼んでいた。
心の中で。
そんな佐藤先生だけど、一緒に暮らすとなると、生活用品で必要なものは、全部先生がそろえてくれるという。
お金のことは心配するなと、
でも、いいのかな、、、。
佐藤先生のお父さんに、養女としてもらっていただけなのに。
まぁ。一時は、義理の妹であったに違いけど。
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