未知の世界2
授業後、職員室へ。
担任の先生から、休んでた分のプリントを渡されたけど、夏休みがほとんどだったから、たいした量はなかった。
それから、部活へ。
ほんとは、喉から手が出るくらい、皆と部活をやりたかった。
病室から見る青空は、いつも部活を思い出した。
ソフトボール部
と書かれた表札を見る。
部屋に入ると、皆の顔があった。
皆、真っ黒!
「ぷっ!」
皆、夏休み中の練習のせいか、顔が真っ黒だった。
「せんぱーい!入っていきなり笑わないでくださいよー!」
と言ったのは、後輩の直子。
そう、ここには既に先輩期生は卒業して、後輩しかいない。
直子は、私が唯一、本音を話せる相手。
部活の始まる前に、今までのことを話さなきゃと思い、直子に声をかけた。
「直子ー、ちょっとちょっと!」
「どうしたんですかー?ってか先輩、体は大丈夫なんですか?」
と言われ、直子を引っ張って部室を出た。
直子にどうしてもと言われ、仕方なくグローブをはめ、キャッチボールをしながら話した。
喘息で入院してたこと、私の生い立ち、からの佐藤先生の家での居候。
直子は黙って聞いていた。
「あの。
先輩」
といい、手を止める。
キャッチボール、やばくないですか?」
今さらか。
「だから断ったのにー」
と言うと、ひたさら謝る直子。
ほんっとかわいいんだから。
直子は、私が高校1年の時に、当時高校の近くにある中学のソフトボール部との合同練習で、当時中学3年で、私は友達になってほしいと手紙をもらった。
そこから仲良くなった。
施設にいたから、あまり人には身上を話すことは嫌いだったけど、直子には、素直に話せた。
もちろん、直子もいろいろと話してくれる。
直子のうちはお金持ちとしか知らないけど、直子自身のことは大抵知っている。
直子と好きなだけ話すと、部室を離れ、家に帰った。