未知の世界2
「えっ?
翔くん!?」
「かなっ!」
えー!!!!!
「さ、、とう、、」
「そうそう、俺、佐藤翔!
佐藤先生といとこっ!」
知らなかった!!
私は翔くんのお父さんとお母さんをリビングに通した。
「せんせ、せんせ!
翔くんって、、、せんせーのいとこ???」
「あれ?言ってなかったか?
俺のいとこ」
聞いてないよー!
「知らなかった。だから先生、病院であんなにスパルタだったんだね。」
「そんなことないわ。」
と否定するけど、すごかったんだから。
スパルタで勉強を教える先生。
ご飯の用意も終えて、リビングに皆がつく。
お父さんの話があって、みんなで乾杯をした。
すると翔くんが、
「えっ、でもなんでかながいるの?」
と言うと、お父さんが説明した。
翔くんのお父さんたちは知っていたみたい。
私が先生のおうちに養女になっていた時から。
翔くんにも会ったことがあったみたい。
でも、お互い小さくて、記憶にない。
すると翔くんのお父さんが、
「翔とかなちゃんは同い年だから、よく遊ばせてたんだけど、覚えてないかー。
だけど二人で遊んでると、いつも幸治がかなちゃんを連れてどっかに行っちゃったり、かなちゃんも幸治がいなくなるとすぐに泣いてたな。」
え?そんなに長いこと養女になってたの?
「おじさん!そんな話はやめてくださいよ。」
と先生は言うけど、翔くんのお父さんは全く聞く耳を持たない。
「翔に素敵な彼女ができたなって、かなちゃんと翔がいる前でいったら、かなちゃんは何て言ったと思う?」
覚えてないよー。
顔を横にふる。
「それがね、
嫌だよー!私は幸治お兄ちゃんのお嫁さんになるんだもーん!
って、泣きながら言ったんだよ」
「ぇえっ!私、そんなことを、、、」
恥ずかしい。顔が真っ赤になるのがわかった、
先生は、私の顔をちらっと見ると、
「そんなこと気にしなくていいんだからな、かな。」
と言った。
「そ、そうだぞ。かなだって、大きくなって、いろんな人と出会ってるんだから、男は幸治にぃだけじゃないんだからな!」
と焦っていう翔くん。
そこに翔くんのお母さんが、
「そうよね、翔も立派な男だもんね。」
と言うと、翔くんは顔を赤らめて、
「う、うるさいよっ!」
と慌てていた。
「かなちゃんは、今も昔もモテモテだね。彼氏はいないのか?」
とお父さんが言う。
「いません。もう高校生なのに、今だに人を好きになるって、よくわからなくて。」
と答えると、
「うーん、難しいな。一つ言えることは、好きと思う人は、自分にとって大切な人でもあるということだな。
私は、お母さんも好きだし、幸治もかなちゃんも好き。
それと同時に大切だって思ってるよ。
まぁ、お母さんは飛び抜けて好きだけどな。」
なんてお母さんを見ると、お母さんは、
「もー」
と言いながら、まんざらでもなさそうで答えた。
それを見て、皆が笑った。
こういう食卓好きだな。
初めて家族というものが素敵だと思えた。
それから夜まで宴会は続いた。