未知の世界2
私はまだみんなが宴会をしていたけど、翌日の学校に備えてお風呂に入り、部屋へ行って、学校の準備をした。
トントン
「俺だけど、入っていい?」
と翔くんの声がした。
嘘、きまづいよ。
花火大会のこと、まだ返事してない。黙っているわけにはいかない。
「どうぞ。」
というと、扉が開き翔くんが入ってきた。
「へ~。女の子の部屋だな。」
「ありがとう。先生が用意してくれたの。」
「えっ?」
というと、黙ってしまった。
「翔くん、怪我の方がどう?」
「もうすっかりよくなった。かなの喘息は?」
「退院後二日でまた病院に戻ったけど、でももう大丈夫。まだ完治ではないけどね。
翔くんはどこの高校??近く?」
「俺は隣町に住んでて、隣町の高校。かなは高校でたらどうするの?」
「私は、先生の勧めで、やごな大学を希望してるの。」
「えっ?あの有名な?どこの学部に入るの?」
「それがね、、、医学部なの。」
「は?医学部?なんで医者!?」
「自分でもまだ気持ちが固まってなくて。それでもいいから先生が医者になれって。」
医者を勧められた時、同じ職業なら何かあった時になんとかしてやるって言われたことは秘密にしておかないと。
「そうなんだ。俺は就職だな。それより、返事、、、」
やっぱりきた。。。
「この間はごめんね。私花火の恐ろしさを知らなかった。
それと、告白してくれてすごく嬉しかったよ。
だけど、ごめんなさい。翔くんの気持ちには答えられないの。
私、人を好きになる気持ちってわからなくて。
翔くんはわかってると思うんだけど、私にはまだ、人を好きになったことないの。」
正直に答えた。それが一番失礼じゃない返事だと思ったから。
「え?かなさ、幸治にぃといい感じなのかと思ってた。」
「ぇえ!!なんでそうなるの?」
「幸治にぃが誰か女性と同棲するなんてことは、今までないし。俺が入院していたときから、幸治にぃって、かなのところばかり来てたし。
俺、てっきりそういうことなのかと思って。かなはどうなんだ?幸治にぃのこと。」
「だって、私達、昔は義理のきょうだいだったんだよ。養女になってたって。
そんなこと考えちゃいけないんじゃないの?
確かに、先生の裸見て、ドキドキしたけど、、、」
はっ!私、今なんてことを!?
「は?裸って。」
「違うの違うの!!裸っていうのは、先生がお風呂上がりにタオルを腰に巻いて、、、」
あ、見ちゃったっけ、、、
「やっぱりそういうことか、、、」
「本当に違うんだから。本当に、、、
私、自分の気持ちがわからないの。だから、違うの。」
「じゃあ、俺が入る余地があるってことだな。よしっ!」
といい、私が返事をする前に、翔くんは部屋を出ていった。