未知の世界2
~ベランダでは~
「幸治にぃ、ちょっといい?」
「ぁあ?翔か。どうした?」
二人はベランダにある椅子に座る。
「実はさ、俺さ、かなのことが好きで。」
「あぁ。」
「あぁ。って!俺、結構今、重大なこと言ったよ!!」
「知ってるよ。入院してる時から、看護師たちが騒いでたぞ。」
顔を真っ赤にする翔。
「そんな、、、」
「で、何なんだ?」
「その、幸治にぃはどうなんだ。かなのこと、、、」
大きな沈黙の後、、、
「なんで、お前にそんなこと話す必要があるんだ。
それに大体、かなはまだ、子供だ。それでもって俺の患者でもあるんだ。
あいつは、今まで悲惨な人生だった。
俺たちといた幼い頃、まさかそんな人生になるなんて思ってもなかった。
だから、あいつには幸せになって欲しい。
俺は、あいつが大学に行って、就職するまではちゃんと守ってやろうと思ってる。
でもそれは、あいつがまだ子供だから。」
そう言うと、佐藤先生は黙った。何か考えながら。
「本当かよ、、、」
といい、翔はベランダを後にした。