未知の世界2
翌日、私と翔くんはマンションからそれぞれ高校へ向かい、先生は病院へ出勤した。
翔くんのお父さんとお母さんは、お休みをとったようで、昨日の片付けを兼ねて、先生のご両親と一日を過ごすみたい。
私は、翔くんへ告白の返事をしたことに晴れ晴れとした気持ちだった。
ずっとモヤモヤしていた気持ちが一気に晴れた。
そして、いつものように補修を受け、マンションに戻った。
部屋に入ると、すごく美味しそうな匂いがした。
リビングには、翔くん家族は帰ったようで、ソファに先生とお父さん、お母さんが座っていた。
まるで、私を待っていたかのように。
私は、ついその場で立ちすくんでしまった。
「どうしたの。かなちゃん。」
とお母さんに声をかけられる。
「こっちにいらっしゃい。」
とお父さんに声をかけられる。
「体調、悪いのか?」
と先生に声をかけられる。
私は、
私は、
私は、、、、、
涙が止まらなかった。
こんな家族にずっと、憧れていた。
もう、決して私には手に入れられないって思ってた。
なのに、今、こんな近くにある。
それだけど、もしかしたら、またなくなってしまうかもしれない。
私が本当の両親を無くしたときのように。
すると、お母さんが私の涙に気づき、
私のそばに来て、優しく抱きしめてくれた。
「大丈夫よ。」
と言って。私の思っていることがお母さんには伝わったみたいだった。