未知の世界2
スタスタとエレベーターに向かう佐藤先生。
ナースステーションの前で、近藤さんや他の看護師さんに、
「お世話になりました。」
と深々とお辞儀をして、佐藤先生の方に小走りで向かった。
佐藤先生に追いつくと、
「おい、退院早々、発作を起こしたいのか?
走るな。」
とドスのきいた声で一喝される。
「は、、、い。」
これから、こんな生活が続くのかと、しょっぱなから気持ちが沈んだ。
エレベーターを地下一階で下りると、そこにはたくさんの車が並んでいた。
車種はよくわからないけど、車のテカり具合から高級車ということはわかる。
どこに乗ったらいいかわからずに、突っ立っていると、
「ここから家まで近いけど、後ろで横になってろ。」
と言われ、
「お願いします。」
と声をかけ、後ろに乗った。