未知の世界2
旅館に戻ると、部屋へ着替えを取りに行き、お母さんとお風呂に入りに行くことになった。
部屋を出る時、先生に
「傷痛むと思うから、気をつけて入れよ。それに洗う時もな。」
と言われ、私は、は~い、と言って部屋を出た。
私はお風呂でお母さんにもっとアメリカの話を聞きたくて、ずっと話してもらった。
きっとお母さんは、私が今までどうしていたか聞きたかっただろうけど、私には何一つ楽しい話なんてなかったから、ひたすらお母さんの話を聞いた。
アメリカの話以外に、お父さんとの馴れ初め、先生のことも聞いた。
でも、きっと気づいたと思う。
私が施設でされていたこと。
私の体は今でも傷だらけだから。
公衆の場で肌を出すことなんてなかったから、気づかなかったけど、相当ひどく傷ついていた。
だって、周りの人がすごく見るんだもん。
私は見ることのできない背中もすごかったみたい。
でも、お母さんは私の傷を見ることはしなかった。
少しでも私の傷に、目線がいけば、私が傷つくことを知ってたんだと思う。
お母さんは本当に優しい。
いつか、ちゃんと話せる時が来るといいな。