未知の世界2
~お父さんとお母さんの部屋では~
お風呂からでたお父さんとお母さんは、部屋で涼んでいた。
「かなちゃん、ひどい傷だったわ。体中何かでぶたれたような痕や、たばこを押し付けられた痕、それにやけどのような痕もあったわ。
幸治から聞いてはいたけど、相当ひどいことをされていたんだと思う。」
とお母さんが話す。
お父さんは、
「そうか。あの子はそんなひどい目に遭わされていたんだな。
養女を取り消しになんて、するんじゃなかった。
そしたら、あの子の人生はもっと早くから輝いていた。
そんな辛い思いもすることはなかったのに。」
と答える。
「なぁ、母さん。
今回、帰国して、かなちゃんをもう一度養女にして、アメリカへ連れて行こうと思っていたけど、私はそうしない方がいい気がしてきた。」
とお父さんが続ける。お母さんは、
「そうね、私もそう思うわ。」
と答える。再びお父さんが、
「幸治とかなちゃん、もしかしたら二人はずっと一緒に暮らせるんじゃないのか。
幸治がかなちゃんを離しそうにないと思うんだ。
このまま様子を見よう。」
というと、お母さんもその意見に賛成した。