未知の世界2
その夜、私達はご馳走を食べ、それぞれの部屋で寝ることになった。
先生は、もう一度お風呂に入りに行った。
私は、携帯電話に来ていた翔くんの残念そうなメールの内容に返事を書いた。
『ごめんね、でも先生のうちにまた遊びにきてよ!』
と書くと、布団の上でいつの間にか寝てしまった。
「ケッホッ
ケホッケホケホケホ」
と咳で目が覚めた。
手には携帯電話を持ったままだった。
時刻をみると、そんなに寝ていない。
その時、
ガチャッ
と音がする方をみると、先生がトイレから出てきた。
「起きたか?」
少し前に戻ってきたみたいだった。
「どうした?」
と聞かれ、私は、
「今、咳が少し出てきて。」
というと、慌てた様子で鞄から聴診器を取り出し、吸入器も手にしていた。
さすが医者。ここまで持ってくるとは。
先生に促され、布団に横になる。
服をめくり先生の診察を受けた。念のため熱も計る。
「うん、大丈夫だな。今日は喘息が出ないように、吸入して、薬も飲んでから寝るぞ。」
と言われ、吸入をして、薬も飲んだ。
先生と同じ部屋でよかった。
入院していた時は、怒られることが怖くて、先生になかなか症状を言えなかった。
けど気づいたら、先生にしか症状をいうことができなくなっていた。