未知の世界2
ほんとに、ものの数分で佐藤先生のマンションに着いた。
どうもマンションの何部屋か、病院が契約しているようで、あの病院に通う先生や看護師さんは、このマンションに住んでる人が少なくはないそうだ。
そういえば、佐藤先生って、私と同じように、幼い頃親御さんと離れて暮らしてたって。
看護師の近藤さんに聞いたような。
まぁ、今は知らなくても、いつか聞ける時がくるかな。
佐藤先生はたまに、ごくまれに、、、すごくまれに、
笑顔のときがあるけど、基本怖い顔してるから、なかなか話しかけにくい。
これから一緒に暮らすのに、そんなこと言ってたらいけないけど。
年齢だって気になる。
30歳はいってると思うけど、私の覚えてる夢では、たしか小学校高学年か中学生くらいのお兄ちゃんだった。
あれが、私の幼少期となると、10歳くらい離れてる?
20台後半!?
それもまたいつか。
それから、ここに暮らすことを、施設の仲間にも、落ち着いたら連絡しておこう。
なんて考えていると、部屋に着いた。
マンションはカードキーになっていたので、私もカードキーをもらって、使い方を教えてもらった。
部屋は15階建てのマンションの7階。
7階でも充分高い位置にある。
部屋に入ると、街の眺めがすごく綺麗だった。
私の住んでた街って、こんな風になってたんだ。
ぼーっと突っ立ってると、
「おい、部屋はこっち。」
と言われ、リビングを通って3つ並ぶ部屋の一番奥だった。