未知の世界2
「荷物は部屋においておくから。
昼は出前とったから、それまで好きにしてな。」
といい、部屋から出て行った。
ベッドに、勉強机、本棚、それに、
姿見まである。
クローゼットには衣装ケースも入れてある。
どれもシンプルだけど、全て私のために先生が買ってくれたと思うと、
目頭が熱くなった。
私は部屋を飛びだし、先生のいるリビングに走る。
「あっ、、、
あの!
部屋にある机やベッドとか、
ありがとう、、
ございます。」
と言って下げた頭をあげると、佐藤先生がこちらを見つめていた。
私は顔中が赤くなったことに気づく。
「そんなことはいい。
それより、家の中でも走るな。」
とまた一喝。
「は、、、い。」
タジタジとリビングから部屋に戻った。
今までは、使い古された机やベッド。
一人になることなんてない部屋。
それがこれからは、一人の部屋に、新品の机やベッド。
本棚だってある。
うれしくなって、ベッドに腰掛けると、いつのまにか寝てしまった。