青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「お話もしないままで殺されるのは割に合わないわね。

 会話を致しましょう?

 ねえ、王子サマ」

「最初にお話しするべきなのは、私が王子などではないことですか」

 ゆっくりと、ラザーは石の床に盆を置く。

「だからって、ただの給仕にしては物騒じゃない?」

「いいえ。昨今は給仕も武器を扱うんですよ。

 主人に食事を運ぶ折に、思い掛けず怪しい小娘に遭遇するかも知れませんから。

 で、あなたはどなたですか?」

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