青蒼の夜半に、闇色の鳥を
手にしていた暗剣を明後日の方向に無造作に放り投げ、一歩足を踏み出してラザーが長剣の鞘を払う。
シェイスの持つ無骨な大刀とは違う。
真っ直ぐな細身の、危ういほど鋭く研がれた代物だ。
「あんたに似合っているわね、その剣。
あたしなら、そんななにもかも斬り捨てる気満々の武器なんて怖くて持てない」
「一応、褒め言葉として伺っておきます」
「先に云っておくけれど、あたし、あんたに危害を加えに来たわけじゃないわ。
ねえ、廃王子サマ。
そうお呼びすれば合格?」
おどけて見せたシェイスに、ラザーの眉が潜められる。
シェイスの持つ無骨な大刀とは違う。
真っ直ぐな細身の、危ういほど鋭く研がれた代物だ。
「あんたに似合っているわね、その剣。
あたしなら、そんななにもかも斬り捨てる気満々の武器なんて怖くて持てない」
「一応、褒め言葉として伺っておきます」
「先に云っておくけれど、あたし、あんたに危害を加えに来たわけじゃないわ。
ねえ、廃王子サマ。
そうお呼びすれば合格?」
おどけて見せたシェイスに、ラザーの眉が潜められる。