青蒼の夜半に、闇色の鳥を
 ――この奥にいる女に、自分は逢いたいのだろうか。

 靴音ひとつひとつに、問いが絡み付く。

 王の妃。

 アッバース女神の巫女――偽りの聖女。

 シェイスの知らない王を知る女。

 嫉妬も憤りもある。

 それ以上に、真実を知りたいと云う想いもある。

 止められない。
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