青蒼の夜半に、闇色の鳥を
 螺旋階段の突き当たり。

 鉄板が狭間に仕込んであると知れる、無骨な扉と幾重にも絡められた鎖。

 心の片隅で開かないことを祈っていた鍵は、

 細い針を握ったシェイスのささやかな動きで、容易く掛け金を落としてしまう。

 もう、シェイスは逃げられない。
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