青蒼の夜半に、闇色の鳥を
 髪と同じ漆黒の眸がウルジャスを睨み据える。

 褐色の肌は異教の民の証。


 国の民でもない人間がなぜ、王の死を探るのだろうか。

 否――なぜ、彼女は、王の死を悼むのだろうか。


 吊り上った眸の縁に溜まる透明な雫に、ウルジャスは微かな息をはいた。
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