青蒼の夜半に、闇色の鳥を
 華奢な骨組みに薄く肉が付いた肢体に、細い細い手足。

 長い長い無彩色の髪に、小ぶりな白いかんばせ。

 全てが精巧に作られ美しく、その皮膚の下の鮮血を見せない冷ややかさを帯びていた。

 水晶細工のように。

 銀細工のように。

 綺麗だが肌に冷たく、こころを暖めない清らかさ。

 血と汗に塗れ泥臭く生きてきたシェイスにとって、インシア・サリエは未知の存在だった。
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