青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「神託を、お前にくれてあげる」
「そんなものは要らない」
不思議と耳に残る声を振り払うように、シェイスは首を振った。
「あんたが仕える神は、あたしの神じゃない。
あんたの神からの賜りものは、あたしにとって意味を持たない。
神託はただの辻占の占手と変わらない。
なら、欲しがる奴にあげれば好い」
シェイスの好く響く声が、空間を切り分ける。
その言葉に、インシアが瞬きした。
人形じみた容姿にそぐわない、幼い仕草。
可愛らしいとさえ思えた。
初めて、人間めいた匂いを感じた。
「そんなものは要らない」
不思議と耳に残る声を振り払うように、シェイスは首を振った。
「あんたが仕える神は、あたしの神じゃない。
あんたの神からの賜りものは、あたしにとって意味を持たない。
神託はただの辻占の占手と変わらない。
なら、欲しがる奴にあげれば好い」
シェイスの好く響く声が、空間を切り分ける。
その言葉に、インシアが瞬きした。
人形じみた容姿にそぐわない、幼い仕草。
可愛らしいとさえ思えた。
初めて、人間めいた匂いを感じた。