青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「辻占の占手と同じ、か……」

 ぎこちなく、余り慣れていない素振りでインシアが頬を緩めた。

「流石は、一度は他者の運命を操りし者。

 お前は、本当に面白い女なのだね」

「他者? 運命? なんのこと?」

 シェイスが眉を潜める。

 それには応えずに、インシアは告げる。

「いまは、応えるに足る刻はないようだ」

 続けられた言葉に、はっと意識を外に向けた。
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