青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「……痛い」
もがくのではなく、
抗うのでもなく、
感情を置き忘れたような凍えた声をインシアが響かせる。
夢から醒めたように、ゆっくりと、青年――ラザーの腕が解けていった。
「汗をかいている」
抱きすくめられたかたちそのままに、両手をだらりと落としたまま。
インシアがラザーを見る。
ぼやけた、焦点の合わない灰色の視線。
もがくのではなく、
抗うのでもなく、
感情を置き忘れたような凍えた声をインシアが響かせる。
夢から醒めたように、ゆっくりと、青年――ラザーの腕が解けていった。
「汗をかいている」
抱きすくめられたかたちそのままに、両手をだらりと落としたまま。
インシアがラザーを見る。
ぼやけた、焦点の合わない灰色の視線。