青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「今日は、珍しいものを見る日だ。
お前が揺らぐ姿など、見たのは……片手ほどか」
前に見たのはいつのことか、と記憶を辿り、インシアが僅かに眉を潜める。
苦しいからではない。
苦いからだけではない。
行き場がないからこそ、辿りたくもない記憶。
それは、黒でも白でもない、インシアの髪や眸と同じ彩をしている。
お前が揺らぐ姿など、見たのは……片手ほどか」
前に見たのはいつのことか、と記憶を辿り、インシアが僅かに眉を潜める。
苦しいからではない。
苦いからだけではない。
行き場がないからこそ、辿りたくもない記憶。
それは、黒でも白でもない、インシアの髪や眸と同じ彩をしている。