青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「あの子はあんたが女だから好き。

 だけど、あんたが男だったからって今度はアガサが、無条件にあんたを愛するわけじゃない」

 サディマの諭す響きは優しくて、少しも嫌ではない。

 でも、受け入れられないことは、同じ。

「わかっている。

 でも重いんだよ。

 いつか、あたしは絶対にアギの想いを踏み躙る。

 わかっているから、いっそ嫌って欲しい。

 心なんて傾けて欲しくないんだ」
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