青蒼の夜半に、闇色の鳥を
 身体中に鉄の鎖が巻き付いて、シェイスを戒めているよう。

 身動きひとつにも、汗ばんだ身体が重い。

「あたしは、アギの希みも知っている。

 アギは、あたしがアギのものになって、アギの子を生むのを希んでいる。

 でもそうしたら、あたしはいまの力を失うわ。

 アギは、長。

 あたしはただの、長の妻」

 無理に寝返りを打つ。

 どこに身体を転がしても喉で呼吸が堰止っている。

 脂汗が額に滲んでも、毒素は吐き出されずに体内で波打つ。

 どちらを向いても苦しくて、どこかに救いを求めたい。
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