青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「お嬢は一生懸命だ。

 それはわかるよ。

 でも、願いがすべて叶うとは、限らない。

 ただ、お嬢は好い子だね。

 誰が褒めなくてもそのことだけは、このサディマが請け負ってあげるよ」

 慰めるように、サディマの指が額に貼り付いた髪を掬う。

 鬱陶しげに、シェイスは寝返りを打った。

「好い子になんてなりたくない。

 あたしは、強い人間になりたいんだ……」

 戯言の終わりをそう結んで、シェイスは深い眠りに落ちていった。
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