青蒼の夜半に、闇色の鳥を
・3・
寝室から出ると、椅子に身を預け、アギが祈るように両手を組み合わせていた。
サディマは背中を丸め、お座りをした犬を思い浮かべる。
茶色い毛並みをした大きな犬。
撫でてやりたい。
「アギ、茶でも要るかい?」
「ああ……有難いな。
貰おうか」
サディマの声に、アギが顔を上げる。
エンカランの民にしては薄い色の肌と薄茶色の髪。
彼もまた、城市に溶け込む道を選び得た青年だ。
むしろ一族にあって異質な容姿は城市の方が生き易かったはず。
なのに、アギは一族に残ることを選んだ。
全て、彼の小さな少女のため。
サディマは背中を丸め、お座りをした犬を思い浮かべる。
茶色い毛並みをした大きな犬。
撫でてやりたい。
「アギ、茶でも要るかい?」
「ああ……有難いな。
貰おうか」
サディマの声に、アギが顔を上げる。
エンカランの民にしては薄い色の肌と薄茶色の髪。
彼もまた、城市に溶け込む道を選び得た青年だ。
むしろ一族にあって異質な容姿は城市の方が生き易かったはず。
なのに、アギは一族に残ることを選んだ。
全て、彼の小さな少女のため。