青蒼の夜半に、闇色の鳥を
・4・
浅い眠りの狭間。
汗ばむ身体を持て余しながら、シェイスは夢を見ていた。
――かしん、かしん、と。
硬いものでなにかを傷付ける音。
「大陸の東側に広がる肥沃地帯を中原と呼ぶ。
ふたつの川の恩恵を授かる、豊かな場所だ」
丸く磨き抜かれた爪が砂に汚れている。
白砂の塊を手にして、砂じみた石の床に拙い地図を書き付ける指。
褪せた金色の髪にも、刺繍を施した衣にも影が落ちる。
乾き捨てられた水場の、崩れ掛けた古い聖堂。
そこがジャスパ王とシェイスの逢瀬の場だった。
汗ばむ身体を持て余しながら、シェイスは夢を見ていた。
――かしん、かしん、と。
硬いものでなにかを傷付ける音。
「大陸の東側に広がる肥沃地帯を中原と呼ぶ。
ふたつの川の恩恵を授かる、豊かな場所だ」
丸く磨き抜かれた爪が砂に汚れている。
白砂の塊を手にして、砂じみた石の床に拙い地図を書き付ける指。
褪せた金色の髪にも、刺繍を施した衣にも影が落ちる。
乾き捨てられた水場の、崩れ掛けた古い聖堂。
そこがジャスパ王とシェイスの逢瀬の場だった。