青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「好い加減、剣を引いてくれないか?」


 一歩、後ずさりながらウルジャスは云う。

 動いてもこの少女が自分を傷付けない。

 確信があった。

 なんとも消化不良の顔で少女は剣を引く。

 内心、安堵の息を漏らしたウルジャスを見透かしたように。

 彼女は剣を鞘に収めず、そのまま勢い好く床に突き立てた。

 そのまま素早く床に片膝を着き、きつい目でウルジャスを見上げる。
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