青蒼の夜半に、闇色の鳥を
 ラザーは兄ではなく。

 新王ウルジャス・エノアの側近にしてお目付け役。

 ウルジャスを監督する身にあって、ウルジャスの願いを叶える存在ではない。

 情を、分かち合える存在ではない。

 今更、こんなささやかな会話ひとつで気付いた。

 ――ラザーは、ウルジャスの『兄』などではない。

 納得しきれない自分が一番、悔しくて情けない。
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