青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「あなたに才気がないなど……」

「御託は好い!

 ただ、問いの答えが欲しいんだ、俺は」

 この場所には、この手にはなにもない。

 勢い好く首を振ったウルジャスに微かに目を細め、

 顎に手を当ててラザーは見返す風。

 しばらくの後、どこか違う場所で情を揺らすように、僅かな笑みで唇を撓めた。

「願いは、もうすでに叶っています。

 希みも、このうえないかたちで。

 だから、これ以上はありません。

 いまの私の喜びはあなたに仕えること。

 あなたが、王となること。

 だから、いまで満足なんですよ。

 満足すぎるほどにね」
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