青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「いきなりご挨拶ね!」

「罪人相手に礼など尽くしてはいられません」

 『罪人』の呼び名に一瞬、顔が引き攣る。

 シェイスが、この曖昧な傷に慣れていない証。

 重い大剣を握り直して、シェイスはちらりと視線を投げる。

 シェイスの一挙一投足を油断なく監視するラザー。

 強張った顔をしたウルジャス。

 白く磨きぬかれた棺。

 俯きがちにお綺麗な顔を見せ付ける女神の像。
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