青蒼の夜半に、闇色の鳥を
 いくら剣を交えても、なにひとつ伝わって来ない。

 それは、明け方の一戦と同じ。

 あのときはおそらく、ラザーはシェイスをひととして見ていなかったから。

 単なる排除すべき障害として無感動に観察していたから、

 シェイスは違和感を覚えた。

 いまはきっと、また違う理由だ。

「あんた、そんなに弱い奴だったの?

 ほら、あたし、あんたの刃を喰らったのよ。

 憶えている?

 もう、ふらふら。

 立っているのもやっとの状態」

「好くおっしゃいますね。

 こんなにも力強く剣を繰り出してくる方が」
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